① 自分の身体で「そばと健康」の関係を実証する
わたしが“十割そば”に着目し、十割そば食の普及に情熱を傾け日本の食文化の過去の知恵に現代の英知と技術を加えて、「つなぎなし」でそば粉100%で製麺する『十割そば製麺機・調理システム』の開発と普及を自らのミッションと考えて企業経営者になったのには『はらぺこ』の玉山清悦代表との不思議な「ご縁」とわたしの人生独自の“そば食への熱い思い”があります。
わたしは岩手医科大学では主に“医療哲学”と呼ばれる分野を専門とし、医療倫理学や医学史といった講義を担当してまいりました。現代医学はEBM(Evidence Based Medicine)と呼ばれる実証的・科学的で検証可能な知識体系によって支えられています。現代医学が病気に悩む患者さんの正確な診断や治療技術の格段の進歩向上によって病気を治し、更に癒しを重要視する「クオリティ・オブ・ライフ」の実現にも今では大きく貢献しています。
現代医学は病気になる原因を的確に突き止めることはできますが「病気にならない要因」については不確定要素が多く、因果関係を明確に説明しにくいのが現状です。大学で医学生に教鞭を執りながら「病気にならない身体をつくるための知恵を普及させる」視点を研究できたらとつねづね感じておりました。
予防医学の研究の中で“健康食としてのそば”に着目したのは東北大学の学生時代に文学部に籍を置きながら医学部の近藤正二教授の「保健学・公衆衛生学」の講義・実習がキッカケでした。それは戦前に“長寿村”として代表的な山梨・長野にまたがる地域と岩手県の県北中山間地域を調査した時の体験です。どちらも「そばをはじめとする雑穀を常食にしていた」地域でした。
その土地で長年暮らしているお年寄りにお話しを聞くと「ほとんど病気らしい病気はしていないがなにかの拍子に病んだ時には主に“そば”を食べると治ったもんだよ」と答えてくれたおばぁちゃんの笑顔が今でも脳裏から離れません。
② 「十割そばと健康特性」について
わたしは自分の学んだ医学的な知識と経験を生かして、そばの栄養成分とその特性について文献を確認し、様々な調査をしてその根拠を突き止めようと試みました。そばが『長寿と美容』の一助となる低カロリー食品であることは周知の事実ですが、わたし自身が肥満気味だったこともあって“生活習慣病予備軍”(笑)なのですが、「そば食」の生活を始めてからはかなり改善しました。わたしの教え子の医師に定期的に脳のMRI(磁気共鳴映像法)検査をしてもらうのですが、その先生の言うには私の脳は検査するたびに若返っているというのです。わたしの好きな荘子の言葉に「空言腹を癒さず」があります。健康食の普及も自分の学んだ医学知識や自分自身の食体験を自らの手で一つ一つ実績を積み上げながら伝えていく必要があると心から思っています。
そばの健康特性についてですが、まず分かったことは、「そばが抜群に消化の 良い食べ物」であるということです。特に“十割そば”は胃の中で容易に溶解 し、すばやく腸に送られるのでほとんど胃に負担がかからないのです。
岩手県には「わんこそば」という独特の食文化があります。花巻市では毎年、そばの“大食い競争”が恒例行事として開催され、とても人気があります。毎年の優勝者はお椀でなんと「二百数十杯!」を短時間で平らげてしまいます。
こんなに多量の食べ物を胃の中に入れれば、大方の食品では胃がパンクしてしまいます。そばの場合、胃袋がそれに耐えられるのは消化に手間取らずに、どんどん腸に送られるので腸の長さだけ、そばを摂取することが可能なのです。
それ以上に、そばという食材には「優れた栄養成分がバランスよく」含まれています。医学的にみて特に注目すべきは、穀物の中では“そば”にしか含まれていない『ルチン』という成分が“血管細胞の硬化を予防”するうえで大きな役割を果たしていることです。
健康とは『個人を取り巻く環境の差異に適応できる幅の大きさ』と私は考えています。私たちの健康を損なっている原因の多くは内外の環境変化に対応できないために“体内に発生する活性酵素”によると考えられています。
「そば」は“抗酸性化食品”として最も有力な食べ物のひとつです。その上、摂りすぎても害になることがない稀な食品なのです。また、腸では他の繊維質の野菜などと同様に腸壁の浄化に役立ち、排泄を容易にしてくれます。
③ 「わたしと十割そば」との出逢い
わたしは夏目漱石が好きでその影響もあって、若い頃から「無類の蕎麦好き」でした。教授時代は美味しいそば屋があると聞けば、県外までも出かけて行っていました(笑)。そんなときに地元・紫波町の『美味しんぼ』でも有名な玉山清悦さんのお店「はらぺこ」を訪れました。
評判どおりの美味しい「十割そば」に感激して帰ろうとした時に、玉山代表から突然、お声を掛けて戴いたのです。後から聞くと「そばの食べ歩きをしている変な医大教授がいる(笑)」と噂になっていたようです。
『健康に良くて旨い蕎麦の魅力を何とかして全国に広めていきたい。石渡先生、力を貸してくれませんか!!』と。
玉山さんと言えば、10年間で100万食以上もの蕎麦(そば)を作り、自店を日本でも有数の繁盛そば店に築き上げた、岩手が誇る根っからの「偉大なそば職人」です。わたしは医大の教授として世間に対して色々な提言はしてきたものの「実際に自分自身で何かを起こす」ということはありませんでした。元来、学問として学んだことを実社会に生かしたいとの強い思いがあり、玉山さんの企業理念と熱い使命感に共感して、わたしの新しい挑戦が始まりました。
④ 「十割そば製麺機」の開発へのこだわり
熟練の“そば職人”でも難しいとされてきた「十割そば」の製造工程を機械化し、「どこでも・いつでも・もっと手軽に」美味しい純粋なそば(そば粉100%)を広めたいとの思いを実現するまでには、多くの方々の協力はもちろん、スタッフの莫大な努力と労力、また資金面など度重なる試行錯誤の連続でした。
まず、小麦粉などのツナギを使わない十割そばはぶつぶつと切れやすいのです。そば粉には、グルテンが含まれていないため麺状にするのが困難であり、一般のそば店や小売りされているそばは小麦粉などの様々なつなぎを2割から5割くらい混ぜて「そば」にすることが多いのです。
手打ちの十割そばの『こね・伸ばし・切り』という技術は職人のなかでもごく限られた人にしか出来ない<技・業(わざ)>なのです。ですから、これまではそれを機械で実現することは到底むずかしく、それゆえに量産されるそばは五割(そば粉が50%)がふつうでした。
でも、私たちはそばの持つ“健康特性”をストレートに製麺するために、あくまでも『十割そば』にこだわり続けました。そしてついに、「こねて押し出す」という形にシンプル化して、「伸ばす・切る」という工程を省くことに成功しました。
具体的には人数分のそば粉に研究した適量の水を加えたそば粉をこねる機械に入れて“そば生地”を作ります。出来上がった生地を当社が開発した『“瞬間自家”製麺機』に移して、レバーを引くとトコロテンが押し出されるように、生地カップの底にある沢山の孔から麺状になったそばが瞬時に茹で釜に押し出されてきます。時間にして「2分間」のスピードを実現致しました。
初代「玉山式製麺機」の完成時から改良を重ねて15年になります。導入店様からのご要望を中心にして常に新しい時代のニーズやお客様からのヒントを生かしながら、改良と工夫を重ねて、今日の「基本モデル」が出来上がりました。当社『味玄十割そば“瞬間自家製麺機”』の主力製麺機は3機種でございます。 「味玄スーパーマック2005(300食/時)」・「味玄ヘルシーマック305(120食/時)」・「味玄テーブルマック(電動卓上小型製麺機・35食/時)」です。
同じように私共で扱っております各種の「そば粉」は製粉業者の方々の並々ならぬご努力と何度も話し合いをさせて戴いて改善を繰り返して作り上げた「作品」です。産地や品種によって味や食感の異なるそば粉を当社独自の配合でブレンドしております。当社が開発した製麺機と私どもの“そば粉との相性”の良さは抜群です。「十割そば」の美味しさを私どもに協力して下さる大手メーカー様と協力して開発致しました食材(そば粉・そばつゆ)につきましても、責任を持って保証いたします。合わせてどうぞよろしくお願い申し上げます。
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